わたしは栞を挟まない|よつばの読書ブログ

全部ゆるせたらいいのに/一木 けい【レビュー】

★★★★

4話収録の連作短編集。
1頁目から心を鷲掴みされる。

アルコール依存症の父に苦しめられて来た千映は、幼い娘・恵の子育てに疲れ果てながら、今度は夫・宇太郎の増える酒量に怯える日々を過ごす。

アルコール依存症をテーマとした本作は、部外者でありながら、その熾烈さに苦しくなる。
人生が上手く行かない時、何かに縋りたい気持ちは解らなくもない。
身近にありその最たるものがアルコールなのかも知れない。

けれど父と娘のシーンは壮絶で耐えがたい。
家族同士が傷つけあう。

一番愛する家族を傷つけ、憎み、許せなくなるなんて悲劇としか言えない。




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