わたしは栞を挟まない|よつばの読書ブログ

掬えば手には/瀬尾 まいこ【レビュー】

★★★★

心がフワっと軽くなる読後。
人と出逢い触れ合う事で生まれる化学反応に心が柔らかくなっていく。

主人公はナンバーワンにもオンリーワンにもなれる要素がなく、標準を絵に描いた様な大学生の梨木匠。

親からの期待を一身に受け、自身の名前さえ好きになれない匠だったが自分の存在意義を確かめるように奮闘する。

オムライス屋の店長、バイト仲間の常盤さん。
癖あり&訳ありの二人に手を差し伸べる事が出来る匠はそれだけで唯一無二の存在だと思う。

人は皆、不完全だから人と繋がり成長していく。

掬い上げた手の平の中にはきっと優しい光が満ちている。




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