わたしは栞を挟まない|よつばの読書ブログ

心音/乾 ルカ【レビュー】

★★★★★

衝撃的な作品だった。

海外で臓器移植手術をする為に募金を募る、
実際、新聞記事でも目にした事がある。

本作ではアメリカで心臓移植手術を受けた少女・明音の人生が綴られているが、そこには自分が想像していた明るい未来とは掛け離れた現実があって目を背けたくなる。

同時期に募金額が足らず移植手術を受ける事が出来なかった少女・若葉。
前半は若葉の母親の心中を思いひたすら苦しい。

しかし生き延びる事が出来た明音であっても、生の喜びを感じるどころか世の中の悪意の中で漂っているだけで自死さえ許されない。

この物語にリアルがない事を切に願う。




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