わたしは栞を挟まない|よつばの読書ブログ

夜が暗いとはかぎらない/寺地 はるな【レビュー】

★★★★

『大人は泣かないと思っていた』で大好きになった寺地さん。

本作もしみじみと良かった。

「1 朝が明るいとはかぎらない」9篇、「2 昼の月」5篇、「3 夜が暗いとはかぎらない」
全15篇が収録されている。

この物語には大きな事件や事故は起こらない。

自分のすぐ隣にいそうな人達ばかり。
子育てに悩むお母さん、仕事にやりがいを見いだせない男性、自分に自信が持てない青年
それでもみんな必死に生きている。

家族間であっても「解る」なんて傲慢だ。
「共感」だけで救われる。

そっと寄り添って背中に手を添えてくれる様な優しさに包まれた物語。




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