★★★
初めて読む作家さんですがタイトルに惹かれ手に取りました。
「眠る無花果」「まばたきがスイッチ」「さざなみを抱く」
「森と蜜」「まだ宵の口」「月影の背中」
の6編が収録された連作短編集です。
連作集と言っても1篇1篇が独立した物語になっているので1つの短編としても楽しめますしどの物語にも登場する金髪の男・辻草汰(つじそうた)のストーリーとしても楽しめる趣向になっています。
欲望、猜疑、諦め、嫉妬などが微細に描かれたリアリティー溢れるドロドロした内容を想像していましたが登場する女性たちはどこか皆退廃的で、冷めた目線、気怠い雰囲気を漂わせていてひとつひとつのテーマは重いけれどもさらっと読め不思議なエアポケットに入り込んだ様な感覚で読了しました。

幼少期から本が大好きなよつばと申します。私と同じく本が好きな方々の参考になれば幸いです。SNSもフォローしてくださると嬉しいです。