わたしは栞を挟まない|よつばの読書ブログ

方舟を燃やす/角田 光代【レビュー】

★★★★

柳原飛馬と望月不三子。
世代が異なる二人の1967年から2022年までの人生が描かれる。

口裂け女の噂やノストラダムスの大予言、オウム真理教によるテロ事件等、デマで終わったものから実際に起きた事件まで絡めながら物語は進む。

終始淡々と描かれている事で二人の人物が実在しているかのようなリアリティを感じた。

病院内で入院患者が話していた内容を母の病状だと勘違いし、その後起きた悲劇により後悔に苛まれる飛馬。

度を越した食への拘りが親子の亀裂に発展する不三子。

闇雲に信じる事の危うさと、自身で考えぬく事の重要性を強く感じた。




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