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ヒポクラテスの悲嘆/中山 七里【レビュー】

★★★★

『死体は嘘を吐かない』でお馴染みのヒポクラテスシリーズ第五弾。

今回は引き籠りや老老介護に焦点を当てた社会派ミステリー。

プロローグ一行目の吸引力、すぐ傍にある未来に嫌な予感しかしない。

40歳の一人娘の引き籠りに悩む夫婦や、50歳の息子の家庭内暴力に苦しむ夫婦、10歳年上の妻を介護する夫など5話に渡って現実に起こりそうな家族の悲劇が描かれる。

些細な躓きで堕ちていく人間の弱さ、それに伴い崩れ行く家族関係にやるせなさが募った。

死者の声に耳を傾け嘘を見破る光崎教授は健在。

エピローグで明かされるキーマンの企みに愕然。




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