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無年金者ちとせの告白/西尾 潤【レビュー】

★★★★

現実に起こりそうな恐怖を感じる作品だった。

物語の舞台は山梨に位置する坂田パーキングエリア。
清掃部で働く73歳の梨元ちとせと75歳の古田中栄、二人の老女を中心に物語は展開する。

このパーキングエリアには訳ありな人達が集まって来る。
貧困による車上生活者やネグレクトの母親、介護に明け暮れる男性。

中でも金の匂いを嗅ぎ付け近づいて来る寄生虫の様な男が一番質が悪い。

ちとせが犯した罪。それを無かった事にする為に老女二人が企んだ完全犯罪。

終盤は目が離せない展開だ。
社会の闇の中で逞しく生きる老女の姿が眼前に浮かんで来る一冊。




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