★★★★
磨いた者の願いを叶えると噂されているヴェネツィアから流れ着いた一枚の鏡
その1枚の鏡に翻弄される人々を描いた5話収録の連作短編集です。
時代背景は戦前から終戦直後
それ故、言葉使いが古めかしく更に恐ろしさが助長された。
5話それぞれ、人間の欲が表現されているが、全てテイストが異なっていて面白い。
そして恐々読み進めて行くと予想だにしなかった結末に再び驚かされる。
グリム童話の様な印象もあり鏡の持つ魔力より人間の業の深さを感じた切れ味鋭い短編集。

幼少期から本が大好きなよつばと申します。私と同じく本が好きな方々の参考になれば幸いです。SNSもフォローしてくださると嬉しいです。