★★★★
哀しくやるせない。
まさかこんな結末が待っていたとは。
徹底して描かれるのは人間の持つ負の感情。
それとは真逆な愛情の深さに涙する。
新宿の空きビルで発見された女性の遺体。千葉県で男性が刺殺された未解決事件。
二つの殺人事件を軸に物語は展開する。
自分の置かれた環境に満足出来ず、強い承認欲求を持つ者や家族を支配したい者。
愚かとも思える人間の果てしない欲望に閉口する。
一方、過去の行いを後悔し懺悔するかの様に人に尽くす者もいる。
その優しさと愛情の深さが胸を打つ。
ミステリーでありながら、人としての在り方と生き様を問われる。

幼少期から本が大好きなよつばと申します。私と同じく本が好きな方々の参考になれば幸いです。SNSもフォローしてくださると嬉しいです。