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ホットプレートと震度四/井上 荒野【レビュー】

★★★★

「今年のゼリーモールド」
「ピザカッターは笑う」
「コーヒーサーバーの冒険」
「あのときの鉄鍋」
「水餃子の机」
「錆び釘探し」
「ホットプレートと震度四」
「さよなら、アクリルたわし」
「焚いてるんだよ、薪ストーブ」
“食にまつわる道具”を共通テーマに取り入れた9話収録の独立短編集。

井上作品に感じる不穏さは鳴りを潜め、日常生活のふとした瞬間、心にさざ波が立った登場人物の姿がリアルに描かれる。

彼ら、彼女達の揺れ動く心が自分の思いとリンクし、悶々としたり共感したり。

黒い井上作品も魅力的だが読後にかすかな光を感じる本作も秀逸。




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