★★★★
『科学は嘘をつかない。嘘をつくのは、いつだって人間です』
こう言い切るのは元科捜研の異端児・土門誠。
科捜研を辞めた後、民間の鑑定所を開設し様々な依頼を科学の力で解決していく。
人呼んで『最後の鑑定人』。
「遺された痕」「愚者の炎」「死人に訊け」「風化した夜」収録された4編の物語には、いくつもの嘘が隠されている。
土門の冴え渡る仮説と正確かつ確実な鑑定で、事件や事故の裏側が暴かれ真実が見えた瞬間、思わず溜息が漏れる。
サイエンスミステリーとしても十分面白いが、それ以上に深く濃く描かれた人間ドラマの部分に心を打たれた。

はじめまして。
255文字で本の感想を書いています。
選書の参考になれば嬉しいです。
☆受賞歴☆
読書メーター×ダ・ヴィンチ 第5回 ベストレビュアー賞受賞 「僕が僕をやめる日」
読書メーター×ダ・ヴィンチ 第6回 優秀レビュアー賞受賞 「かがみの孤城」
読書メーター×ダ・ヴィンチ 第7回 ベストレビュアー賞受賞 「逆ソクラテス」