★★★★
『科学は嘘をつかない。嘘をつくのは、いつだって人間です』
こう言い切るのは元科捜研の異端児・土門誠。
科捜研を辞めた後、民間の鑑定所を開設し様々な依頼を科学の力で解決していく。
人呼んで『最後の鑑定人』。
「遺された痕」「愚者の炎」「死人に訊け」「風化した夜」収録された4編の物語には、いくつもの嘘が隠されている。
土門の冴え渡る仮説と正確かつ確実な鑑定で、事件や事故の裏側が暴かれ真実が見えた瞬間、思わず溜息が漏れる。
サイエンスミステリーとしても十分面白いが、それ以上に深く濃く描かれた人間ドラマの部分に心を打たれた。

幼少期から本が大好きなよつばと申します。私と同じく本が好きな方々の参考になれば幸いです。SNSもフォローしてくださると嬉しいです。