わたしは栞を挟まない|よつばの読書ブログ

緑陰深きところ/遠田 潤子【レビュー】

★★★★

人の心の複雑怪奇さと奥深さを突き付けられる。
読み進むに連れ疑問が膨れ上がり、疑問が紐解かれる度に哀しみが募る。

50年前、愛した女とその娘を実兄に惨殺された紘二郎。
長年の恨みを晴らす為、兄を殺す決意を固め、思い入れのある旧車で大分へと向かう矢先に出逢ったのは25歳の青年・リュウ。
二人は共に6日間の旅に出る。

復讐劇とは思えない、ほのぼのとした雰囲気に気を許していると後半は息詰まる展開が待ち受ける。

白だと思っていた物は黒へ、黒だと信じきっていた物は白へ反転。

最後は緑陰の涼風の元、皆の心が救済された事を確信した。




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