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悪の芽/貫井 徳郎【レビュー】

★★★★★

胸に響いた。
普段、何げなく使っている「想像力」と言う言葉の重みを再確認させられる。

世間を震撼させた無差別大量殺人事件の犯人は、かつて自分がいじめていた同級生だった。
かなりの年月が経っているとは言え、一人の人間の人生に何らかの影響を与えた事は事実。

主人公が犯人の悪の芽生えを模索する中で、自己保身から悔恨へと気持ちが変化して行く姿に安堵する。

想像力に欠けた社会に絶望する犯人もまた想像力が欠落している。

悪の芽を育てるのも絶やすのも最後は自分次第。
現代のSNSの在り方やいじめ問題をベースに個人の生き様が問われる。




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