わたしは栞を挟まない|よつばの読書ブログ

アルプス席の母/早見 和真【レビュー】

★★★★★

とても良かった。
グッと来る場面が多く、その度に胸が熱くなった。

スポーツ強豪校で、酸いも甘いも経験した息子と重なって、当時の事を嫌でも思い出し感情が揺さぶられた。

監督への不満、上級生母からの攻撃、試合で負ければ往復ビンタ、成績が下がれば丸刈り。
納得出来ない数々の理不尽に遭遇しては無理やり呑みこみ、祈る様に応援し続けた日々が蘇る。

本作では甲子園を目指す航太郎と母・菜々子の生きざまが描かれる。
困難を乗り越え前を向く航太郎の健やかさに心が洗われる思いだ。

野球小説と言うより母と息子の愛情と成長の物語。

清々しい読後。




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