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兎は薄氷に駆ける/貴志 祐介【レビュー】

★★★★

いつ割れてもおかしくない薄氷の上を駆ける主人公・日高英之の復讐を応援し続けた。

15年前に起きた殺人事件で、無実を訴えていた英之の父は、連日連夜に及ぶ違法な取り調べで犯人に仕立て上げられ獄中死。

英之は身を呈して無謀とも思える戦いに挑む。

被疑者の言葉には一切耳を貸さず、圧力と脅迫、暴力で強引に自白を迫る警察や、検察の物言いに腸が煮えくり返った。

法廷シーンは圧巻。
冤罪を晴らす為に綿密な計画と行動力で猟犬に立ち向かった賢い兎の行く末を見守り続けた。

正義とは言えない英之の復讐も、冤罪被害者の無念を思えば共感出来る。

※136頁 最終行
誤 敵意を隠そうも
正 敵意を隠そうとも




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