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その手をにぎりたい/柚木 麻子【レビュー】

★★★★

柚木 麻子さんの連作短編集

1983年6月から1992年5月までの10年間を寿司ネタと共に描いて行く手法になっています。

時代はバブル真っ只中
銀座の高級鮨店「すし静」にハマり10年間に渡って通いつめる
都内で働くOLの本木青子(もとき せいこ)が主人公です。

著者の柚木さんはバブルの時代には幼稚園児でしたが、当時の事を良く調査されて書上げられた様で
随所に当時の音楽・歌手・ファッション・本・世相などが散りばめられ
とても懐かしい思いで読む事が出来ました。

主人公・青子の仕事へ対する情熱、挫折、友人関係、男女関係など
様々なエピソードに共感したり応援したり時に首を捻ったりしながらテンポ良く読み進める事が出来、特に秀逸だと感じたのは各短編に登場するお寿司の描写です。

読んでいる途中も、読了後もたまらなくお寿司が食べたくなりました。

「すし静」の職人・一ノ瀬との10年間も先が気になり一気読みでした。

柚木さんのブラックな部分は控えめですが、絶えず流れているバブルの喧騒と気怠さにエロチックな雰囲気が加わり、読み応えのある作品で読後感も良かったです。

タイトルはお寿司の「にぎり」と掛けているのでしょうか。




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