★★★
ああ、今回も作者の手の平の上でまんまと転がされてしまった。
主人公は空き巣で前科二犯の善人。
善人と書いてヨシトと読む。
ヨシトが刑務所のお務めを終え、初恋相手の美女・マリアと出会う所から物語は展開して行く。
90年代の世情、実在の有名人を随所に織り交ぜながら、軽快なテンポでストーリーは進み、巧みな言葉遊びに何度も噴出してしまう。
藤崎さんだから仕掛けがあるはずと思い、慎重に読み進めるも結局最終章までそれと気付かず、やられた感がいっぱい。
蓋を開ければあれもこれも伏線で作者のアイデアに脱帽。
そして最後ちょっと泣けた。

幼少期から本が大好きなよつばと申します。私と同じく本が好きな方々の参考になれば幸いです。SNSもフォローしてくださると嬉しいです。