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鏡の国/岡崎 琢磨【レビュー】

★★★

殆どのページが作中作『鏡の国』で構成された反転ミステリー。

2063年に生きる女性が、叔母の室見響子が40年前に書き上げた私小説『鏡の国』の原稿を読み、謎を紐解いていく。

作中作だけで十分物語として完成されており、大筋はルッキズムに囚われた人達の葛藤が描かれる。

途中からミステリー要素が強くなり、顔に火傷を負う事になった火災の原因や、事件の裏側に隠されていた真実が明かされた時、改めてルッキズムが人に及ぼす影響の強さを感じた。

終盤では作中作で見ていた世界が反転。
微塵の疑いもなく読み進め、完璧に騙された。

降参です。




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