★★★
万引、偽札、闇金、詐欺、誘拐、殺人、目次に物騒なタイトルが並ぶ。
一橋桐子76歳、家族もおらず唯一の親友、トモは病気で亡くなり天涯孤独の身の上に。
刑務所で暮す事のメリットに気付いた桐子は、少しでも長く刑務所にいられる犯罪を模索し始める。
なんとも奇想天外な物語だが背景には高齢者の抱える孤独や金銭的、身体的不安があり笑うに笑えない。
桐子の慎ましく丁寧な暮らし方と真面目で優しい性格に触れるたびに、刑務所なんかじゃなく高齢者が心安らげる居場所がないものかと思う。
「情けは人のためならず」
桐子の結末にこのことわざが過る。

幼少期から本が大好きなよつばと申します。私と同じく本が好きな方々の参考になれば幸いです。SNSもフォローしてくださると嬉しいです。