★★★
万引、偽札、闇金、詐欺、誘拐、殺人、目次に物騒なタイトルが並ぶ。
一橋桐子76歳、家族もおらず唯一の親友、トモは病気で亡くなり天涯孤独の身の上に。
刑務所で暮す事のメリットに気付いた桐子は、少しでも長く刑務所にいられる犯罪を模索し始める。
なんとも奇想天外な物語だが背景には高齢者の抱える孤独や金銭的、身体的不安があり笑うに笑えない。
桐子の慎ましく丁寧な暮らし方と真面目で優しい性格に触れるたびに、刑務所なんかじゃなく高齢者が心安らげる居場所がないものかと思う。
「情けは人のためならず」
桐子の結末にこのことわざが過る。
はじめまして。
255文字で本の感想を書いています。
選書の参考になれば嬉しいです。
☆受賞歴☆
読書メーター×ダ・ヴィンチ 第5回 ベストレビュアー賞受賞 「僕が僕をやめる日」HN・よつば
松村 涼哉『僕が僕をやめる日』 第5回 レビュアー大賞 2020年 課題図書 – 読書メーター (bookmeter.com)
読書メーター×ダ・ヴィンチ 第6回 優秀レビュアー賞受賞 「かがみの孤城」HN・よつば
辻村 深月『かがみの孤城』 第6回レビュアー大賞 2021年 課題図書 – 読書メーター (bookmeter.com)
読書メーター×ダ・ヴィンチ 第7回 ベストレビュアー賞受賞 「逆ソクラテス」HN・よつば
伊坂 幸太郎『逆ソクラテス』 第7回レビュアー大賞 2023年 課題図書 – 読書メーター (bookmeter.com)
ブクログ BEST USER AWARD 2023 Silver賞 HN・よつば