★★★
井上 荒野さんの短編集
「虫の息」 「時計」 「逃げる」 「ドア」 「ボトルシップ」 「赤へ」
「どこかの庭で」 「十三人目の行方不明者」 「母のこと」 「雨」
これら10編が収録されています。
いつも荒野さんの作品に感じる不穏な空気感や退廃的な香りは今回も健在でした。
毎日スポーツジムに通って来る80代の老婆二人組とジムで働く今時の若者を描いた「虫の息」
ブックマークしている中でもお気に入りの「庭ブログ」の内容を挟みながら実生活や自身の庭を描き、人間の疑心暗鬼や悲しみを描いた「どこかの庭で」
中学二年の娘の友達が自殺、娘のスマホのLINEでのやり取りを見てしまった母親を描いた「雨」
どれも現実的にないとは言えない内容で、各主人公たちの心の揺れ、不安が繊細に描かれていました。
読後感は良くはないけれど、引き込まれる作品集でした。
はじめまして。
255文字で本の感想を書いています。
選書の参考になれば嬉しいです。
☆受賞歴☆
読書メーター×ダ・ヴィンチ 第5回 ベストレビュアー賞受賞 「僕が僕をやめる日」HN・よつば
松村 涼哉『僕が僕をやめる日』 第5回 レビュアー大賞 2020年 課題図書 – 読書メーター (bookmeter.com)
読書メーター×ダ・ヴィンチ 第6回 優秀レビュアー賞受賞 「かがみの孤城」HN・よつば
辻村 深月『かがみの孤城』 第6回レビュアー大賞 2021年 課題図書 – 読書メーター (bookmeter.com)
読書メーター×ダ・ヴィンチ 第7回 ベストレビュアー賞受賞 「逆ソクラテス」HN・よつば
伊坂 幸太郎『逆ソクラテス』 第7回レビュアー大賞 2023年 課題図書 – 読書メーター (bookmeter.com)
ブクログ BEST USER AWARD 2023 Silver賞 HN・よつば