わたしは栞を挟まない|よつばの読書ブログ

緋の河/桜木 紫乃【レビュー】

★★★★

カルーセル麻紀さんの幼少時代から20代前半までを、事実と虚構を織り交ぜながら描いた物語。

昨今、LGBTなどの言葉も浸透し、性同一性障害への理解も歩みは遅くても前進している気がするが、この物語の主人公、秀男が生まれた時代は偏見に満ち溢れていた。

同級生からのイジメや教頭からの暴力にもめげず、「あたしはあたしになりたい」と我が身を守る為に画策する秀男の姿に逞しさを感じる。

父や兄、弟妹にまで冷たくあしらわれても自分を貫く秀男には感嘆の思い。

どんな状況下でも秀男を認め、包み込む母と姉の揺るぎない愛情に胸が熱くなる。




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