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読後、放心状態。
途中呼吸する事を忘れ何度も胸苦しさを覚えた。
教誨師としての矜持と復讐。
激しく揺れ動く天秤のように、教誨師・保阪の葛藤が手に取るように伝わる。
娘を無残に殺害された保阪が、この世で一番憎い相手と対峙し、精神的救済をするなど、尋常では考えられない苦行だ。
犯人の生い立ちに同情する部分があっても、自分なら我が子を殺した相手に赦すという選択肢は存在しない。
死刑執行に携わる刑務官達の姿もリアルだ。
タイムリミットが迫る中、保阪はどちらを選択し行動するのか息を潜め頁を捲った。
ラスト十頁は胸が締め付けられる。

幼少期から本が大好きなよつばと申します。私と同じく本が好きな方々の参考になれば幸いです。SNSもフォローしてくださると嬉しいです。