わたしは栞を挟まない|よつばの読書ブログ

その扉をたたく音/瀬尾 まいこ【レビュー】

★★★★

温かい涙がぽろぽろ零れ落ちる。

主人公はミュージシャンの夢を捨て切れず、怠惰な日々を送る29歳の宮路。
演奏に訪れた老人ホームで出会った介護士の渡部や、ホームのお年寄り達と関わる事で宮路の気持ちに変化が表れ始める。

宮路と渡部の軽妙な会話や、お年寄り達のとぼけた発言が楽しくて思わず笑ってしまう。

物語のベースになっている音楽もとても素敵。
私も音楽には幾度となく勇気付けられた。

そして宮路の事を「ぼんくら」と呼びながら、さり気無い長所に気付く水木ばあさんの視線が優しい。

スタートは遅れたけど扉はいつだって開けられる。




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