わたしは栞を挟まない|よつばの読書ブログ

百年の子/古内 一絵【レビュー】

★★★★

胸が一杯だ。

出版界を舞台に、戦中戦後の激動の時代を生き抜いた祖母と令和に生きる孫を描いた壮大な物語。

小学館の学年別学習雑誌の歴史と共に描かれるのは、戦争の悲惨な光景と女性の生き辛さ。
幼い頃から読み耽った懐かしい雑誌や実在した人物が眼前に浮かび上がり、物語世界に没入出来た。

出版社で働く28歳の明日花と、明日花を慈しみ育ててくれた祖母スエに起きた奇跡、確執を抱えていた明日花と母親。
全ての事象には理由があり皆の根底にある愛情の深さに胸が熱くなった。

祖母の生き様に感銘し私達はどう生きるべきか改めて考えさせられる。




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