★★★★★
読後、静かで優しい余韻が続く。
奈良にある老舗醤油蔵を舞台に主人公・山尾銀花の生き様が昭和から平成に掛けて丁寧に綴られている。
前半は幼いながらに絶えず周りに気を使い、ひたすら我慢する銀花の健気さに胸が痛くなる。
物語の終盤では、銀花の母・美乃里、多鶴子、桜子、登場人物達が抱えていた苦悩が明らかになり、人の内面の奥深さに嘆息する。
この物語に何度も登場する「ふくら雀の土鈴」どこへ転がろうが転がった先で生きるしかない。
罪悪感に苦しむ人達、其々が辿り着いた場所。
そこでの血縁を超えた結びつきと絆、深い愛情に涙が零れる。
はじめまして。
255文字で本の感想を書いています。
選書の参考になれば嬉しいです。
☆受賞歴☆
読書メーター×ダ・ヴィンチ 第5回 ベストレビュアー賞受賞 「僕が僕をやめる日」HN・よつば
松村 涼哉『僕が僕をやめる日』 第5回 レビュアー大賞 2020年 課題図書 – 読書メーター (bookmeter.com)
読書メーター×ダ・ヴィンチ 第6回 優秀レビュアー賞受賞 「かがみの孤城」HN・よつば
辻村 深月『かがみの孤城』 第6回レビュアー大賞 2021年 課題図書 – 読書メーター (bookmeter.com)
読書メーター×ダ・ヴィンチ 第7回 ベストレビュアー賞受賞 「逆ソクラテス」HN・よつば
伊坂 幸太郎『逆ソクラテス』 第7回レビュアー大賞 2023年 課題図書 – 読書メーター (bookmeter.com)
ブクログ BEST USER AWARD 2023 Silver賞 HN・よつば