わたしは栞を挟まない|よつばの読書ブログ

少女が最後に見た蛍/天祢 涼【レビュー】

★★★

「十七歳の目撃」
「初恋の彼は、あの日あのとき」
「言の葉」
「生活安全課における仲田先輩の日常」
「少女が最後に見た蛍」
5話収録の連作短編集で仲田蛍シリーズ第4弾。

教育虐待や貧困など社会問題をテーマに描いた作品だが表題作に心を全て持っていかれた。

物語は仲田蛍の中学時代まで遡る。

蛍の友人を執拗にいじめていた同級生が発した
「大人もいじめをしていることに気づいた」
「いじめは愉しい」
フィクションとは思えないリアルな言葉が胸をえぐる。

彼女に同情の余地はないが、そう思わせる社会を作り上げた大人の責任も問われている気がした。




  • 人気のレビュー
  • 関連するレビュー

気軽にコメントどうぞ

*
*
* (公開されません)