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人間タワー/朝比奈 あすか【レビュー】

★★★★

朝比奈 あすかさんの長編小説

タイトルから今時のカースト制がテーマかと想像していましたが
タイトルそのままに、小学校で行われる組体操「人間タワー」を描いた連作集でした。

読み始めの地味な印象から一転、どんどん惹きつけられ途中から夢中になって読みました。

一時、その危険性が取り上げられた組体操ですが、本作では親や教師、そして組体操の上に立つ子供、下で支える子供達の本音などが丁寧な人物描写で描かれています。

「人間タワー」が実施されるのか、無くなってしまうのか、
もし実施される事になったらどんな形で行われる事になるのか、結末が気になり、そしてそこに辿り着くまでの、それぞれの子供達、大人の感情の揺れや思いに寄り添ったり共感したりしながら読み進めました。

全6話で構成されており、一見独立した短編の様でありながら、登場人物が他の章でリンクしていたり、人間タワー=登場人物の連携と上手く掛けられています。

テーマ自体も新鮮で初めての感覚を味わえ、読み応えのある作品でした。
ひとつだけ残念なのはあの形になるまでの過程を読者の想像に委ねられたのかも知れませんが最終話の一つ前で1話増やして描いて欲しい気もしました。




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