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光のとこにいてね/一穂 ミチ【レビュー】

★★★★★

光は希望の象徴。

古びた団地の片隅で七歳の結珠が、五階のベランダにいた果遠に向け両手を伸ばした瞬間に魂が共鳴し、互いの中に光を見出したのだと思う。

裕福な家庭で何不自由なく暮らす結珠、方やネグレストの母と団地生活を送る果遠。
何もかも正反対な二人に共通していたのは母親の愛情不足。

心の空洞を埋める様に強く相手を求めても叶わない。
傲慢な親の下で選択権がない彼女達への哀しみが募った。

光の温かさを十分感じる間もなく、親の都合で振り回される子らが切ない。

互いの幸せを祈り、光を求めるソウルメイトの様な二人に胸が一杯になる。




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