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老い蜂/櫛木 理宇【レビュー】

★★★★

虎から蜂へ。
『虎を追う』で圧倒的リーダビリティの高さを見せつけてくれた櫛木さん。

今回は老人によるストーカー犯罪の裏に隠された真実を突き止めていくミステリー。

老人だからといって甘く見ていたら、とんでもなかった。
粘着質で執拗な嫌がらせに鳥肌が立つ。

警察官や家族、後輩、誰に相談しても相手が老人だという事で真剣に取り合って貰えない。
その葛藤が手に取る様に伝わりもどかしさが募る。

終盤の二転三転に心が揺さぶられ続け、一度は犯人に同情したのもつかの間、瞬く間にその思いは白紙になる。

歪みきった愛情と狂気に愕然とする読後。




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