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ヴァラエティ/奥田 英朗【レビュー】

★★★★

奥田 英朗さんの短編集

と言っても内容は新作ではなく、あとがきで触れていますが、「まとまらなかった短編集」です。
よって初出も古い物では2006年と10年以上前の作品もあります。

収録作品は「おれは社長だ!」「毎度おおきに」「奥田英朗×イッセー尾形 対談」「ドライブ・イン・サマー」

「クロアチアvs日本~ショートショート」「住み込み可」「奥田英朗×山田太一 対談」

「セブンティーン」「夏のアルバム」

最初の2本が連作短編、対談2本、ショートショート、その他の短編4本の計9本のバラエティに富んだ構成になっています。
寄せ集め的な構成なので全体としてのまとまりはありませんが、奥田ワールドを楽しむにはもってこいの1冊になっています。

個人的には17歳の娘を持つ母親の葛藤がきめ細やかに描かれた「セブンティーン」
奥田さん自身が短編の中で五指に入ると書かれている「夏のアルバム」がお気に入りです。
自分も自転車の補助輪を外した頃の事を思いだし
昭和の懐かしさを感じると共に、少年・少女時代の純粋な気持ち想い起こさせてくれる様な作品でした。

イッセー尾形さんとの対談はもう10年も前の物ですがその会話から奥田さんの人柄が滲み出ていて
最近の作品の中にも通じる温かみを感じなんだか心がほっこりしました。

安心してください、つまらなかったなんて思いませんから(笑)
これからも新しい作品を楽しみにしています。




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