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アイスネルワイゼン/三木 三奈【レビュー】

★★★

「アイスネルワイゼン」
「アキちゃん」
二話収録。

苦手な芥川賞系の作品だが、非常に読みやすかった。

芥川賞候補作となった表題作はかなり強烈。
主人公は32歳のピアノ講師・琴音。
仕事も恋愛も上手く行かず、友人から頼まれたクリスマスイブのバイトでは散々な目に合う。

冒頭から不穏な気配が漂っていたが、途中からは悪意に次ぐ悪意で胸やけがしそうだった。

友人間で繰り広げられる非難の応酬。
辛辣な言葉のラリーに恐怖さえ覚える。

自暴自棄になり、琴音の軋んでいく心が不協和音を奏でているようでザラリとした印象を残す。
最後の場面は切ない。




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