★★★
「盲目の海に浮かぶ孤島」「瞳の中の月」「夜の虹」「面影の輝度」「光への瞬目」
5話収録の連作短編集。
視能訓練士という仕事に就く主人公の成長譚であり、目を巡る5つの物語。
要領が悪く不器用な主人公が、院長や周りのスタッフ達の働く姿を見て学び、一人一人の患者に誠実に対応する姿勢に胸を打たれる。
我が家の近所の眼科はいつも混み合っていて数時間待ち、流れ作業の様な診察。
この物語の北見眼科医院のように、患者の不安な声に耳を傾け親身になってくれる病院は理想だ。
透明感のある繊細な文章に浸りながら”見える事の奇跡”に感謝する。

幼少期から本が大好きなよつばと申します。私と同じく本が好きな方々の参考になれば幸いです。SNSもフォローしてくださると嬉しいです。