★★★★
唯川恵さんの短編集です。
1朱夏は濡れゆく 2蠱惑する指 3陶酔の舌 4漆黒の闇は報いる
5夢魔の甘き唇 6無垢なる陰獣 7真白き乳房 8白鷺は夜に狂う
の8編が収録されています。
恋愛小説では群を抜いて素敵な作品を描かれる唯川さんですが今回の作品では怪談の名作にエロスを融合した新しい世界観が味わえました。
「牡丹燈籠」「番町皿屋敷」「蛇性の婬」「怪猫伝」「ろくろ首」「四谷怪談」「山姥」「源氏物語」などの古典がモチーフになっているのですが全く古めかしい感じがせず、むしろ現代に通じる情念の深さも感じ想像していた以上に読み応えのある短編ばかりでした。
美しい文章でありながら、恐ろしくかつ艶めかしい素敵な短編集です。

幼少期から本が大好きなよつばと申します。私と同じく本が好きな方々の参考になれば幸いです。SNSもフォローしてくださると嬉しいです。