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孤蝶の城/桜木 紫乃【レビュー】

★★★★

「あたしはあたし、男でも女でもない。出来る事をやるだけだ」。

2019年に刊行された『緋の河』の第二部にして完結篇。
主人公の秀男に、前作を上回る覚悟を感じた一冊だった。

一つ間違えば命に関わるモロッコでの性転換手術。
業界に生き残る為に身を削り、時には自ら情報を作り上げメディアに売る。

偽装結婚に利用されたフランス人の彼に同情はするが、あらゆる知恵を振り絞り突き進む秀男のぶれない生き様に感嘆の思いだ。

母や姉、後輩歌手やマネージャーへの愛情には感動。
自分と闘い世間と闘い続ける秀男の本気度と凄まじい熱量に圧倒された。




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