わたしは栞を挟まない|よつばの読書ブログ

生のみ生のままで 下/綿矢 りさ【レビュー】

★★★★★

上巻ラストで感じた前途多難の予感は的中、下巻では逢衣に感情移入し苦しい読書時間が続いた。

マスコミへの悪意のリーク、事務所の冷淡な対応、親の無理解、逢衣と彩夏の仲を引き裂くには十分過ぎる要素だ。

読みながら「普通」の意味をずっと考えていた。

人それぞれ「普通」は異なる。

Lesbianだってきっと、本人達にはそれが普通。

親を苦しませる事を解っている本人達の心の痛みはどれ程だろう。

しかし世間体や常識も二人の純粋さの前では霞んでしまう。

一度きりの人生で、男女の垣根を越えて、愛しい人に出逢えた奇蹟を羨ましくさえ感じた。




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