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彷徨う者たち/中山 七里【レビュー】

★★★★

『護られなかった者たちへ』『境界線』に続く第三弾にて完結編。
今作は笘篠とペアを組む蓮田将悟を主人公に置いたヒューマンミステリー。

始まりは仮設住宅で発見された他殺体。
被害者は南三陸町役場勤務、仮設住民の担当者・掛川勇児。

密室で起きた殺人事件の謎を紐解きながら、被災地復興の裏側や、未だ心が彷徨い続けている被災者の心情を並行して描く。

当事者にならない限り、被災者の真の苦しみを理解する事は難しい。
衣食住やガワだけを整えてもそれが被災者にとっての救いにはならない事を実感する。

風化させない事の重要性を心に強く刻んだ。




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