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ママがやった/井上 荒野【レビュー】

★★★

井上荒野さんの連作短編小説です。

「ママがやった」「五、六回」「ミック・ジャガーごっこ」「コネティカットの分譲霊園」

「恥」「はやくうちに帰りたい」「自転車」「縦覧謝絶」の8編が収録されています。

タイトルからイメージしていた内容とは全く異なり
ママ=小料理屋を営む女主人、百々子79歳が7つ年下の夫、拓人を殺めた所から物語がスタートします。
その小料理屋に百々子の3人の子供達、長女時子、次女文子(あやこ)、長男創太が集まりますが、誰一人慌てふためく訳でもなく、ただ淡々とストーリーが進行して行きます。

2話から7話までは、家族それぞれの歴史が綴られ、そこにも絶えず不穏な空気が存在するものの、家族を殺めるまでの深刻さなどは全く感じられません。
しかし逆にその深々とした静かな流れで、より恐怖が伝わって来ます。

ラストの8話が1話からの繋がりとなってエピローグへと向かいますが、インパクトのある結末は余韻が残りました。

共感出来る人物は1人もいませんが荒野作品にいつも流れる不思議な空気感は今回も健在でした。




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