★★★★
豪華な執筆陣が罠をモチーフに描いた6話収録の短編集。
「夫の余命・乾くるみ」「崖の下・米澤穂信」「投了図・芦沢央」「孤独な容疑者・大山誠一郎」
「推理研VSパズル研・有栖川有栖」「2020年のロマンス詐欺・辻村深月」
粒揃いのアンソロジーだが、断トツに面白いのは辻村さん。
最近コロナ禍を反映した作品を多く目にするが、その中でも登場人物の閉塞感がリアルだ。
罠に嵌まり、徐々に落ちて行く純朴な大学生の一挙手一投足に終始気を揉まされた。
芦沢さんの作品は予想だにしない展開に思わず胸が熱くなる。
夫の悔恨の想いに切なさが募る。

幼少期から本が大好きなよつばと申します。私と同じく本が好きな方々の参考になれば幸いです。SNSもフォローしてくださると嬉しいです。