★★★★
「一九五八年・立春」「一九七五年・処暑」「一九八八年・秋分」
「一九九九年・夏至」「二〇一〇年・穀雨」「二〇二二年・立春」
6話収録の連作短編集。
天気の研究に生涯を捧げた藤巻博士とその家族、四世代の歴史が描かれる。
難しい用語はなく柔らかな言葉で紡がれる文章が心地良い。
藤巻博士のマイペースな仕草が浮かんで来て思わず顔がほころんでしまう。
画家になった息子のとんでもエピソードには思わず眉を顰めてしまったが、どこの家庭にも多かれ少なかれ様々な問題が起こっているんだろうなと親近感を覚えた。
緩やかな空気感に包まれる一冊。

幼少期から本が大好きなよつばと申します。私と同じく本が好きな方々の参考になれば幸いです。SNSもフォローしてくださると嬉しいです。