わたしは栞を挟まない|よつばの読書ブログ

おいしいごはんが食べられますように/高瀬 隼子【レビュー】

★★★★

芦川さんは頭痛持ちだ。
頭が痛くなると支店長に声を掛け早退していく。

その穴埋めをするかの様に毎日お菓子やケーキを手作りし職場に持参。
優しくて料理上手、守りたくなる様な存在の彼女に職場の仲間たちは好意的だ。

だが芦川さんの彼氏・二谷は彼女に対して歪んだ感情を持て余す。
芦川さんも相当だが二谷がこっそりやっている行為もかなり狂気的。

そこに仕事が出来る体育会系女子の押尾も絡んで物語は不穏さ極まれり。

悶々とする押尾の気持ちに共感し、強かな芦川さんに苛立ち、二谷に呆れ返り、社会の理不尽を思う。

この不穏さが堪らなく好きだ。




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