わたしは栞を挟まない|よつばの読書ブログ

ひきなみ/千早 茜【レビュー】

★★★★

穏やかな瀬戸内海の島、けれど二人の女子小学生から立ち昇る孤独と疎外感に胸が締め付けられる。

訳あって親と離れて暮らす二人。
島民からは温かさより余所者を排除する雰囲気さえ感じられ、それに輪を掛けて描かれる女性蔑視。
保守的で時代錯誤の考え方にウンザリする。

一部の「海」から二部の「陸」へ舞台と時代が移っても男尊女卑の空気感は変わらない。
相も変らぬ性差別と搾取。
どこへ行こうが付き纏う偏見と孤独。

二人の生き辛さに共感しながら鬱屈とした塊が膨れ上がる。

孤高のライオンの様な真以と聡明で素直な葉。
二人の未来に光求める読後。




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