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さしすせその女たち/椰月 美智子【レビュー】

★★★★

「さしすせその女たち」「あいうえおかの夫」の2篇収録

仕事と子育ての両立に悩みながらも毎日を懸命に生きる女性の話と言うのは既に出尽くしている感がありますが、家事に育児に慌ただしく動く妻の日常生活がとてもリアルに描かれています。

今は亡き私の父は仕事も子育ても家事も「分担」と言う意識がなく、手が空いている方がやれば良いと言った自然体な人で、しょうがなくと言うよりは、家族の為に無償の愛で進んでそれらをしてくれていた記憶しかない。

なので仕事が忙しいを理由に何もしない主人公の多香実の夫、秀介には自分のツレアイを見ているようで 終始イライラさせられた。

作中に登場するポジティブなさしすせそに対してネガティブなさしすせそには笑えました。

世の夫達には妻から熟年離婚を言われない為にも、本著で女性の気持ちを知る事で、物ではなく日々の行動で表現して欲しいものだ。

余談ですが64ページ6行目
「子どもができたらから」は「子どもができたから」の間違いだと思います。




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