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伶也と/椰月 美智子【レビュー】

★★★★★

最初淡々と読んでいましたが途中から夢中になり一気読みでした。

主人公の瀧羽直子は大学院まで出た理系女子です。
それまで芸能人の事など殆ど知らずに生きて来ましたが転職先で知り合った由香に誘われて
「ゴライアス」と言うロックバンドのライブへ行き、そこでたちまちボーカルの伶也に夢中になってしまいます。

転職先での同僚たちも現実に実在しそうな面々でその会話もリアリティーがあって物語を盛り上げています。
「ゴライアス」の他の3人のメンバー、マネージャーのReiko、その他の登場人物の描写も丁寧で違和感なくストーリーが進みます。

伶也の栄光や転落など良く芸能界で耳にする出来事ではありますが
主人公、直子の献身的かつ盲目的な愛情は凄い物がありました。
そこにはもう伶也と言う男性を愛する1人の女を超越して母性すら感じました。

エンディングは冒頭に書かれているので二人の結末を知っていたに関わらず
最後のページが近づくに連れて感極まる感情が込み上げました。

浮き沈みの多い伶也の人生だったけれど、これほどまでに1人の女性に想われたのは幸福だったでしょうし
これほどまでに人を愛せた直子に羨ましさも感じます。
ページ数はさほど多くはありませんでしたが二人の濃い人生が詰まっていて読み応え十分でした。




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