わたしは栞を挟まない|よつばの読書ブログ

月夜の森の梟/小池 真理子【レビュー】

★★★★

小池真理子さんは、私が一番初めに好きになった作家さんだ。
自宅の本棚には全作品が並んでいる。

2020年1月30日、作家で夫の藤田宜永さんの訃報を知り、咄嗟に浮かんだのは真理子さんの顔だった。

全編が藤田さんの事を綴った喪失エッセイで、文中からは、そこはかとない寂寥感が漂う。

「桜の花の咲くころまで」と夫の余命を告げられた真理子さん。
私が父の見舞い帰りに「紫陽花の花が咲く頃」と告げられた事とかぶり、永遠に紫陽花が咲かなければ良いと思った日の記憶が蘇る。

死別の形は人それぞれだが静謐に綴られた言葉の一つ一つに救われる。




  • 人気のレビュー
  • 関連するレビュー

気軽にコメントどうぞ

*
*
* (公開されません)