★★★★
小池真理子さんは、私が一番初めに好きになった作家さんだ。
自宅の本棚には全作品が並んでいる。
2020年1月30日、作家で夫の藤田宜永さんの訃報を知り、咄嗟に浮かんだのは真理子さんの顔だった。
全編が藤田さんの事を綴った喪失エッセイで、文中からは、そこはかとない寂寥感が漂う。
「桜の花の咲くころまで」と夫の余命を告げられた真理子さん。
私が父の見舞い帰りに「紫陽花の花が咲く頃」と告げられた事とかぶり、永遠に紫陽花が咲かなければ良いと思った日の記憶が蘇る。
死別の形は人それぞれだが静謐に綴られた言葉の一つ一つに救われる。
はじめまして。
255文字で本の感想を書いています。
選書の参考になれば嬉しいです。
☆受賞歴☆
読書メーター×ダ・ヴィンチ 第5回 ベストレビュアー賞受賞 「僕が僕をやめる日」
読書メーター×ダ・ヴィンチ 第6回 優秀レビュアー賞受賞 「かがみの孤城」
読書メーター×ダ・ヴィンチ 第7回 ベストレビュアー賞受賞 「逆ソクラテス」
ブクログ BEST USER AWARD 2023 Silver賞