わたしは栞を挟まない|よつばの読書ブログ

ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。/辻村 深月【レビュー】

★★★★

辛辣で悪意が満ち溢れている。

なのにページを捲る手が止まらない。

女と言う生きもの、友達同士、母と娘、形態が違えども、必ずそこには何らかのしがらみが生じる。

どんなに仲が良く親友と呼べる間柄であっても意識の底には、それと認識しないくらいのマウンティングが存在する。

母親を殺し失踪するチエミに対する周囲の人達の評価に、人間としての驕りを感じるも、それと同時に自分の内面も抉られている様で胸が苦しくなる。

痛いくらいの心理描写が秀逸。

タイトルが示す意味と、真相が明らかになるラスト10頁では母の愛と女の性を感じ胸が詰まる。




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