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うつくしが丘の不幸の家/町田 そのこ【レビュー】

★★★

「おわりの家」「ままごとの家」「さなぎの家」「夢喰いの家」「しあわせの家」
5話収録の連作短編集。

うつくしが丘に建つ三階建ての一軒家を舞台に描かれる5つの家族の物語。

登場人物がリンクしながら時系列を遡る構成は良くある趣向なので目新しさはないけれど、それぞれの家族が抱える問題がリアリティを持って迫る。

自分勝手な夫、DV男に苦しむ女性、不妊で悩む夫婦、父親を恨み続ける娘。

登場人物達は皆、悩み苦しみ、一様に「家」に縛られている。

幸せは家という入れ物が作る訳じゃなく、自身の心が幸福であるかどうかなのだと改めて思う。




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