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さらさら流る/柚木 麻子【レビュー】

★★★★

リベンジポルノが題材の柚木さんの長編小説です。

主人公は井出菫(いですみれ)
元彼、垂井光春(たるいみつはる)が6年前に撮影した菫のヌード写真がネットで拡散されている事に気付きます。

事情を良く知らなければ、撮影してネットにアップする方も撮影させる方も悪いと言う声が一般的だと思います。
しかし読み進めるに連れて、そんな簡単な事ではないと言う事
そしてやはりネット社会の怖さもひしひしと感じます。

「暗渠 あんきょ」=地下に埋設したり、ふたをかけたりした水路
目には見えない暗渠と菫、光春の心の中がリンクされていて心情描写が秀逸でした。

菫には力強い味方、家族と親友の百合がいて良かった。

ネット社会になり誰でも当たり前にインスタに写真を上げている昨今ですが
後悔先に立たず、後で取り返しのつかない事にならない様に十分な注意が必要だと強く感じると共に
主人公、菫の心の揺れに寄り添いながら、そして菫の強さとあきらめない気持ちに勇気を貰えた1冊。




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