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素晴らしかった。
冤罪と死刑制度、この二つのテーマを根底に人間のあらゆる感情を抉って来る。
「真犯人は別にいる」と言い残し絞首台を登った男がいた。
その数十年後に起きた小学校屋上からの転落事故。
亡くなった少年は冤罪が疑われたまま極刑になった男の孫だった。
男の無実を信じ、取材を進める女性記者に同化する様に真実を知りたい欲求が加速する。
徐々に明らかになる事実。
憎しみが憎しみを呼び連鎖する悲劇に閉口する。
冤罪が作られて行く過程に恐怖を感じながら、同時に人間の弱さ、愚かさを思い知らされる。
真の贖罪の意味を問われる読後。

幼少期から本が大好きなよつばと申します。私と同じく本が好きな方々の参考になれば幸いです。SNSもフォローしてくださると嬉しいです。