★★★★★
男性の作家さんの中でもかなりお気に入りの貫井さんの作品です。
小口テロと言う重いテーマなので難しいかと思いましたが、とても読みやすかったです。
10の短編で構成されていて10人の主人公が登場しますが、どの話にもすぐに引き込まれてしまいました。
いつもながら登場人物の心理描写は素晴らしいです。
各登場人物が絶えず脳内映像で動いていました。
独立した短編ではなく、それぞれに関連性があり伏線も隠されています。
そして「トベ」の正体が気になり一気に読まされます。
テロはもちろん決して認めてはいけない行為だと思うけれど、ある主人公の言葉
「他人の痛みが想像できない人を、私は絶対に認めません」は常日頃から私が感じている事なので共感出来る面もありました。
エンディングもスッキリ、読後感も良かったです。
最近読んだ本の中では一番のヒットでタイトルも好きです。

幼少期から本が大好きなよつばと申します。私と同じく本が好きな方々の参考になれば幸いです。SNSもフォローしてくださると嬉しいです。